最大抵抗と最適抵抗

鬼PTのリハビリコラム

パワーリハ等のマシントレーニングの注意点です。

 パワーリハビリなどのマシントレーニング自体が悪いわけではありません。

 パワーリハビリ開発者の竹内先生や木村先生もおっしゃっていますが、パワーリハビリは筋トレではありません。

 適切な負荷量で行うものです。

 セラピストが、適切に評価を行い、適切な負荷で実施すれば、しっかり効果が得られます。

 しかし、この負荷量の調整を誤っていることがあります。

 筋力を向上させる、つまり、筋肥大を狙うのであれば、最大抵抗での運動が必要です。

 しかし、片麻痺の方の場合、例え軽度の麻痺であっても、最大抵抗の運動は避けるべきです。

 異常な筋緊張が高まってしまうからです。

 レッグプレスやレッグエクステンションなどは、上肢の異常筋緊張が高まりやすい傾向にあります。

 エアロバイクやステッパーなどは、腓腹筋、足趾の屈筋群の異常筋緊張が高まりやすい傾向にあります。

  最適抵抗

 やってはいけないということではありません。 

 「適切な負荷で行う」ことが、とても大切です。

 片麻痺の方の筋出力を向上させるのに、私が狙うのは、筋肥大ではなく、運動単位の増員になります。

 ちょっと難しいですが、要は、筋肉の出力の効率化を図るイメージです。

 ですので、異常筋緊張を高めないレベルの負荷での運動を多く行うのが、ポイントになります

 この異常筋緊張が高まらない、しかし、しっかり負荷がかかるというレベルの負荷を「最適抵抗」といいます。

 パワーリハビリに限らず、川平法等の神経筋促通手技も、同様に最適抵抗で行わなければ、効果が得られません。

 ここの見極めが、セラピストの技量の差につながるといっても、いいかもしれません。

 とはいえ、高いレベルの回復を望まれる方には、多少、異常筋緊張が高まっても、負荷をかけることがあります。

 その場合は、負荷をかけた後のケアが重要になります

 再三、申し上げますが、運動とケアはセットです。

 がむしゃらに、頑張るだけでは、かえって逆効果になることがあります。

運動を頑張ったら、筋緊張の状態を確認し、ご自身をいたわってあげてください。

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鬼PTのリハビリコラム
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投稿者
鬼PT

周囲のスタッフやかつての部下達からは「鬼」と言われる、機能回復にこだわっている理学療法士です。
リハビリ特化型デイサービス「リハビリデイサービス希望」代表
資格:理学療法士、介護支援専門員、
介護予防推進リーダー、地域包括ケア推進リーダー取得しており、市の地域ケア会議に助言者として活躍中

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