肩甲帯周囲筋のケア
片麻痺の方の肩のケアには、まず、肩甲帯周囲筋のケアが欠かせません。
肩甲帯周囲筋でも、特に大小菱形筋、棘下筋、小円筋のケアが大切になります。
更には、大小菱形筋の深部を走行する肩甲背神経、棘下筋の深部を走行する肩甲上神経、腋窩部を走行する腋窩神経にアプローチすることが大切になります。
神経に圧迫刺激を加えると、その支配領域の筋肉は弛緩します。
代表的な例が、尺骨神経刺激です。
肘の内側を指で弾くと小指が痺れるやつです。そこに圧迫刺激をいれると、小指は力が入りにくくなるその理屈です。
肩甲骨のポジションを修正するには、肩甲骨に関わる筋肉の筋緊張を緩め、そのうえで、肩甲骨を動かし、ストレッチし、筋肉の筋長を確保する必要があります。
アプローチの方法
では、どのようにアプローチするか。
まず、筋肉の緊張を緩めます。
テニスボール
テニスボールを使います。
できれば、固めのベッドで、または、可能な方は床に寝転がって行います。
ポイントは下図の赤丸3つ。
このポイントの下を肩甲背神経、肩甲上神経、腋窩神経が走行しています。
また、このポイントの筋肉も凝り固まりやすい筋肉です。
神経と筋肉を同時に狙います。
仰向けに寝て、肩甲骨の内側で、テニスボールを挟みます。
ゆっくり、肩甲骨の内側でテニスボールを上下に転がしてください。
イタ気持ちいい位が理想です。
残り2か所は、テニスボールは動かさず、ジワーっと圧迫するように体重を預けていってください。
肩が軽くなったような感覚、力が少し入りづらくなったような感覚があれば、緩んだ証拠です。
肩甲骨を動かす
筋肉が緩んだら、肩甲骨を動かします。
座った状態で、非麻痺側の手で、麻痺側の肩を掴みます。
肩甲骨を体の外側に引き出すようにして、可能な限り、体を非麻痺側に捻ります。
5秒数えて、元に戻します。
これを5回くらい繰り返しましょう。
その後、両手の指を組んで、ゆっくり、挙上してみてください。
改善がみられたなら、菱形筋、棘下筋に問題があったことになります。
次回は、肩関節屈曲制限因子になりやすい筋について、鬼流の知見をアップする予定です。
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